感性と空間の架け橋としての書 - 書道家

中村千尋は師匠に師事したことはない。.

しかし子供の頃から、筆が紙に触れた瞬間、彼女の中の何かが生き生きと動き出した。毎年、学校の課題や夏休みの課題で作った作品が表彰されたのは、彼女が訓練を受けたからではなく、感性がただそこにあって待っていたからだった。.

その後、デザインの仕事に就いた。しかし、彼女自身の声でアーティストとして語る時が来たとき、それがどのようなものであるかに疑問を抱くことはなかった。筆はいつも彼女のものだった。.

今日の彼女の仕事の中心は、「美は賞賛されるだけでなく、共に生きるものであるべきだ」という、彼女が深く信じていることにある。着物、スカーフ、バッグ、扇子......彼女はこれらのものをキャンバスとし、書道と水墨画を日常生活に取り入れている。彼女は自身のブランドを通して、身につけ、持ち運び、感じるものとしての日本の美のビジョンを築き上げ、そのビジョンを世界に発信する準備が整っている。.

彼女にとって創造とは平和的な行為ではない。彼女はそれを極度の緊張状態、つまり無意識に限りなく近づきながら意図を持ち続ける状態だと表現する。相手と対峙する武道家のように、彼女はすべてを静かに、すべてを賭けて紙の前に立つ。それは楽しいことではないと彼女は言う。それは清算なのだ。.

彼女の作品の規模は、その思い入れの深さに匹敵する。モナコ公国の日本庭園の開園式で、彼女の作品は尊敬のまなざしで迎えられた。福岡では、オープンしたばかりのホテルのワンフロア全体を手渡され、そこに意味を込めるよう依頼された。客室、レストラン、喫茶室、ロビー、プライベートな隠れ家など、彼女は約40の作品を完成させた。.

彼女はまだ終わっていない。.

デジタル技術を駆使して作品に動きを与え、インク以外の素材を使って新たな次元に突き進みたいと考えている。しかし、すべての根底にあるのは、日本の美学は現代生活の流れの中にあるものであり、それを感じたいと待ち望んでいる人々が、この国を越えてどこにでもいるという信念である。.

彼女にとって筆は単なる道具ではない。それは常に、彼女が生きていることを知る最も正直な方法だった。.


インスタグラム chihiro_kimono819

文と写真: 秋元真理子

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